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松島周辺のアイヌ語地名
去る十月十五日・十六日、中央公民館をお借りして研究発表会・アイヌ語塾、そして品井沼沿岸のアイヌ語地名を探訪しました。
会には、遠く群馬県や関東方面、そして北は青森県など東北各地からも参加していただきました。もちろん町内の方々にもお出でいただきました。お世話になりましたこと、心から感謝申し上げます。
そこで、松島町周辺で、アイヌ語で解釈できる地名を取り上げてみます。もしかすると、アイヌ語を話していた人々がこの地にかつて住んでいたことを信じられない方もおられるかと存じますが、しかし、地名は決してウソをつきません。
手樽 てたる
青森県には宇樽部という地名があります。
手樽は、これと発音がよく似ています。ウタルは、アイヌ語のウトゥルte-uturで、谷間や何かの間を表します。テは人の手と同じ形、地形を表します。
手樽も丁度、手の指を広げたような地形、尾根と尾根の間に土地になっています。
近くの富山観音に登る途中にも、それを確かめることができます。
釜ケ沢 かまがさわ
北小泉にあります。
釜は塩焼きの釜を示すことが多いのですが、この地名の場所には塩を焼いたという伝承は見られないようです。
カマkamaは、偏岩つまり平たい岩を言います。釜石のカマと同じです。この辺りは地質がほとんど岩質なので、目の前に見えなくとも、地名が命名された時代には、見ることができたと想像されます。
歌の入 うたのいり
釜ケ沢から少し西に行った沢を上る辺りが歌の入です。ウタは、アイヌ語でオタotaで、砂や砂浜を示します。
かつて松島は、現在の山並みの奥まで海が入り込んでいました。
現在小高くなっている住宅地から下の方には、砂浜が入り込んでいたと想定できます。
品井沼 しないぬま
これは、シナイまでがアイヌ語です。
シsiは親とか、本当のという意味で、ナイnayは川とか沢を言います。
つまり「本流の流れ込んでいる沼」という意味になります。
志戸内 しどうち
山回りの鉄道が稼動していた頃の松島駅の向かい側になります。
古くは、「シドナイ」と呼ばれていたことを確認しました。
アイヌ語でシトナイsit-nayとなり、「谷間の・沢」を表します。
シトは鳴子町の尿前(しとまえ)と同じ意味になります。
現在この沢は行き止まりですが、奥へ入って行くと、沢が谷の奥まで続き水が溜まっています。
手前の方は、駅ができて宅地化されたことから、埋め立てられたのでしょう。
不来内 こずない
大郷町になり、松島町内ではありませんがこれも正しくアイヌ語地名で、
コツナイ kot-nay「窪んだ沢あるいは川」とか「谷間の沢」となります。
元禄年間から干拓が始まった品井沼の沿岸になります。
こうして野蒜沿岸から松島湾そして品井沼沿岸にかけてアイヌ語で解ける地名が集まっています。
これまで気にかけずにいた地名ですが、どうかこうしたチャンスに、ふるさとの地名を振り返って見てはいかがでしょう。